鉄鼠の檻
京極堂シリーズ第四弾。
このシリーズはあまりにもワケ分からない知識が多すぎて困っていたのですが、今回はツボにはまったなぁ。 禅宗。 習ったこともあるし聞いたこともある単語が出てくるから面白かった。
ワリと厚めの本なんですが、そんなに気にならなかった。 文字が大きめだからだろうか。 まぁいいや。
えー、最後が結構駆け足だった気がしますが、概ね面白かった。
問題としては、登場人物の組が分かれすぎて誰がどの情報を知っているのか、というのがごちゃごちゃになってしまってたところかなぁ。 京極堂は常に何でも知ってるし、関口たちが得た情報は次の別の組で既に知られている、というのが平然とあった気がしてなんとなく違和感を感じた。
あと、微妙に表現に疑問を感じるところでも、京極さんが下手なこと書くわけないし、と思って首を捻ったりもしておりました。
京極夏彦さんの文体は特殊すぎて良し悪しがさっぱりです。 辞書で引いても出てこない単語があったり、語彙が物凄い。 どこかで言ってたけど、よく調べてるなぁ。
しかし、榎木津は良いキャラだな。 調査を行う能力としては最強の能力を持っているのに、探偵としての能力が最悪で解決しないとか。 榎木津が単独で事件を解決するようなものはないのか。 ないだろうなぁ。
内容。
えー。 一作目のキャラが出てきて、ずいぶん前に読んだものだから、誰だこいつ、とか思ってたんですが、読むうちに思い出した。 色々と絡んでて凄いです。
京極堂シリーズの特徴は、起こったことは自体は結構単純な話だったりするんですが、それを一部しか見せないで怪奇性を演出し、話を分かり難くしている。 だからトリックというか真相だけを言われても、ふーん、てな感じ。 物語の全容が明らかになっていく過程が面白い。
でも今回の核である鈴に関しては……榎木津の反応からして只者じゃないとは思ってましたが。
あと、犯人が超簡単に罪を認めるのとかはどうなんだろう。
まぁそれはそれとして。
面白うございました。
次はいよいよ絡新婦の理だ。
時期的に読むのは難しそうだなぁ。